木の働き
快適な生活には欠かせない湿度調節機能
木材は室内の湿度が増すと湿気を吸い込み、乾燥すると放湿し、一定の湿度を保つ働きをします。例えば、10.5センチ角のスギ柱1本の中には、ビール大瓶2.5本分もの水分が入っており、その中の0.5本~1本分程が室内の湿度状態に応じて出たり入ったりします。これは、柱だけでなく、床、壁、天井など、全ての木製の物が同じように湿度調整をして、私たちに快適さを与えてくれているのです。
木と温度
木は「温かい」素材です
木を手で触れてみてください。きっと温かいと感じるでしょう。それは、触れた瞬間に熱を奪われないから。つまり、熱を伝えにくい性質があるのです。では、断熱性を比較しましょう。断熱材の失熱を1とすると、木材の失熱は約2倍。土壁は約15倍。そして、コンクリートに至っては、なんと30~40倍もの熱が流失します。それに、断熱材自体には強さがないので、実際、強くて、断熱性に優れているのは木材だけなのです。
木と音
木材はコンサートホールの内装材に用いられるお墨付き
住まいと音を考えた場合は、室内の音は明瞭に聴こえ、外からの騒音は遮断する事が求められます。室内の音が聴きやすいかどうかは、内装材の吸音力と反射のバランスが大事。その点、木は吸音力が適度で、心地よい残響音となります。遮音性と床の衝撃音については、壁や床の厚さや材質、中空層を持つ工法にするなど、部屋の使用目的に応じた部材や施工を選択します。
木と弾力性
木材は歩行感の良い素材です
木材は細胞の集合体で出来ています。だから、物を落した時には表面の細胞がへこみ、さらに次の層の細胞がへこむという様に、細胞が衝撃を吸収するのです。木材は歩く時のショックを和らげつつ、歩きやすい適度な硬さを持ち、しかも、転倒した問いの衝撃を吸収もできるので、床材としての機能もバランスよく備えている素材なのです。
木と視覚
木の独特の光沢は目に優しい
木材の表面には顕微鏡で見ると細やかな凹凸があります。そこに光が当たると、凹凸によって反射する光は適度に錯乱し、それぞれ微妙な光沢となり、目に刺激を与えません。人が気に温かさを感じるにはワケがあります。それは、人が見ることのできる波長は、380~780nmと比較的狭い範囲ですが、380nm以下の紫外線と780nm以上の赤外線は、人には見えませんが、感じることのできる波長です。木材から反射される光には、目に有害な紫外線が少なく、温かみのある赤外線が大きくなるので、人は気に温かさをかんじるのです。